災害による子どものストレスケア

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今回のお話は、昨年の2016年4月14日に九州全域で熊本を震源地とする大きな地震を体験した元保育士さんにお話をお伺いしました!

最初の揺れ(前震)から2週間経ち、少しずつ復興に向けて動き始めていますが、未だに震度3や4レベルの余震が続きました。

福岡県の熊本寄りの地域に住んでおり、建物等の被害はそこまでありませんでしたが、数日間は食料や水がスーパーやコンビニから消えていました。

また、熊本に支援に行った際には、改めて衣食住があるというありがたさを感じました。
5年前には、東日本大震災もありました。

今後、いつどこでまた大きい災害が起こるかわかりません。
これからのためにも、災害による子どものストレスケアについてお話を聞いたので共有したいと思います!

災害が心と体に及ぼす影響とは?

災害が心と体に及ぼす影響とは?
地震等の災害を経験した後、老若男女問わずショックやストレスで心・体ともに変化が起きることがあります。

避難所生活を強いられている方々は、集団生活がストレスとなり、栄養の偏った食事や夜も眠れない生活で免疫が落ちてしまいます。

また、「自分より辛い状況の人がいるから甘えてはいけない」と自分自身で決めつけ、相談できずに我慢をしてしまう方も多くいらっしゃいます。

トラウマ、急性ストレス反応、PTSD

症状は様々あるのですが、代表してこの3つをまとめました。

災害によるトラウマ

災害によるトラウマ
一言で「トラウマ」と言っても様々ありますが、「緊急地震速報の音」と「ニュース等で見る地震の映像」は特にトラウマとなりやすいです。

緊急地震速報の音は大音量でサイレンが鳴り響くので、この音がトラウマとなり、「また地震来る・・・!」と不安になります。
この音は、

注意を喚起させる音であること
すぐに行動したくなるような音であること
既存のいかなる警報音やチャイム音とも異なること
極度に不快でも快適でもなく、あまり明るくも暗くもないこと
できるだけ多くの聴覚障害者に聴こえること

を条件に作られています。

緊急地震速報は、地震が来る前に揺れを察知して速報を流すため、机の下に隠れたり火を消したり心の準備ができるという利点もあります。

しかし、テレビやネットの映像では「撮影された時に流れた緊急地震速報」が出てくることもあり、そういったもので分かっていてもフラッシュバックや動悸が出る方も多くいらっしゃいます。

どうしてもお子さんが怖がってしまうという場合には、携帯の速報を流さないように設定できますが、できるならば速報の必要性を伝えることも大事かと思います。

ニュース等で流れてくる地震の映像は、被災者だけではなく被災していなくてもショックは大きいです。

被災している場合には、情報を得るためにニュースを見るのは必要です。

被災していない場合にも、同じ日本で起こっている地震ですし、どういう状況であるか知ることも大事です。

揺れている映像、倒壊した家屋の映像、被災者が避難して辛い状況にある映像・・・様々な映像が流れます。

「実際に起こっていることだ。目をそらしてはいけない。」と言われる方もいらっしゃいますが、そういった映像を見ることによって、被災者はフラッシュバックしたり不安になったりします。

被災していなくても、別の地震で被災された方が当時をフラッシュバックしたり、自分が同じように被災したと心が混乱状態になったりします。

子どもは大人以上にショックになると思います。怖い映像だと認識するだけだと、精神状況的にも良くないので、しっかりと地震のことを話して、「怖いだけじゃない」と認識させることが大事だと思います。

急性ストレス障害、心的外傷後ストレス障害

急性ストレス障害、心的外傷後ストレス障害
急性ストレス障害は急性ストレス反応、ASDとも呼ばれます。
不安、過敏、緊張、落ち着きのなさ、イライラ、集中力の低下などの精神症状や、動悸、呼吸困難、めまい、首や肩のこり、震え、不眠などの身体症状が現れる一過性の障害です。

症状は危機回避のための正常な反応です。
精神の面でも身体の面でも不調が現れます。

「地震酔い」も症状の1つだと言われています。
症状は発症から数日~数週間で収まるものですが、症状が酷ければPTSDになってしまう恐れもあります。

子どもの場合、一人でいることができない、家に入れない、落ち着きがない、攻撃的になる等が挙げられます。

大人でも辛い症状ですが、子どもは大人よりも精神的なコントロールが難しいし、内向的な人格形成にも繋がってしまうので、早急なケアが大事です。

軽い症状であれば、お母さんがそばに居て「大丈夫だよ」と安心感を与えてあげるだけでも子どもは落ち着きます。
PTSDは心的外傷後ストレス障害とも呼びます。
PTSDは心的外傷後ストレス障害とも呼びます。
先述の急性ストレス障害とは違い、症状が長期化し、専門家によるカウンセリングやケアが必要となってきます。

退行現象を起こして今までできていたことができなくなったり、赤ちゃん返りになったり、トイレに失敗したりします。
眠れない、途中で目が覚める、夜中に泣き出すといった睡眠障害も出てきます。

「地震ごっこ」と言って、緊急地震速報のマネをしたり机を揺らしたり自分が揺れたりして地震の再現をしようとします。

特に地震の再現をすることはダメだと怒ってしまいがちですが、子どもは再現することによって自分なりに心の中で整理し受け入れようとしているので、頭ごなしに怒ってはいけません。

子ども達への対処法

子ども達への対処法
 あえて地震の話題を出す
地震があったときのことなどをあえて語ることによって、自分でその時の状況などを整理して受け入れるという効果があります。
また、自分だけじゃないという安心にも繋がります。

しかし、子どもの精神状態を伺い、話題を出しても大丈夫なときではないと、フラッシュバック等の症状が出る恐れもあります。

 身体を動かす
ストレッチ等でも、身体を動かすことによって、気分転換にもなりますし、エコノミー症候群の予防にもなります。

 一人にさせない
一人でいることが一番不安になります。物理的な意味でも精神的な意味でも、「みんな一緒だよ」と安心させてあげることが大事です。

保護者の動揺が子どもに及ぼす影響

保護者の動揺が子どもに及ぼす影響
もちろん災害が起こってしまったとき、子どもだけではなく保護者も同じように被災し、精神的にも参ってしまいます。

先述の急性ストレス障害や、PTSDに保護者の方がなるということも普通にあり得ます。

しかし、保護者の方が地震で怖がったりその後の症状で不調が出たりすると、子どもはそんな保護者の姿を見て更に不安になります。
地震を自分のせいにして自分を責めてしまう子もいます。

言葉で言うのは簡単で実行するのは難しいことは重々承知ですが、できれば保護者の方は怖がらず子どもの前では普段通りのままでいて、子どもの不安を取り除いてあげてください。

この度の震災で感じたこと

この度の震災で感じたこと
今回お話を聞いた保育士さんが住んでいる地域は福岡県の熊本寄りなのですが、緊急地震速報が鳴った直後に今まで経験したことのない大きな揺れが来たそうです。

緊急地震速報が鳴るレベルの大きな余震も多くあったそうです。

最初は冷静にしていたそうですが、ニュースで災害の状況を見ると動悸が止まらなかったり、地震酔いがなかなか治まらなかったり、書き出すとキリがないのですが、急性ストレス反応が出たそうです。

しかし、熊本の方ではもっと辛い状況になっている方が多くいらっしゃるので我慢して、私の知人の呼びかけで熊本に支援物資を運ぶ手伝いをしていたそうです。

今は分かりませんが、当時行ったときにはまだ張り詰めていてピリピリとした空気が漂っていました。
それでも、ライフラインが止まらず衣食住があるという環境を改めて感謝の気持ちでいっぱいだったそうです。

家では小学生の妹が、泣いたり、一人でトイレやお風呂が入れなくなったり、「もう世界終わると?」と世界の終わりや死について考えるようになってしまったそうです。

大事な妹が怖がっているのを見ると悲しくなったとのことでした。
ネットでも子どもの災害によるストレス等の情報を見聞きするようになったため、子どもに対する災害のストレスケアの必要性を実感しました。

最後まで読んでくださってありがとうございます^^
今日も笑顔が一つ増えますように^^

この記事を書いている「けんさんとみぃ」って誰?

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